
うるっとした瞳は愛犬のチャームポイント。でも目の下が赤茶色に染まる「涙やけ」は、見た目だけでなく皮膚トラブルや不快感も気になりますよね。毎日きれいにしてあげたいのに、何から始めればいいのか迷う気持ち、よくわかります。ここでは、今日からすぐできるやさしいお手入れを、負担なく続けられる形でまとめました。
みんな同じことで悩んでる——それで大丈夫
- 拭いてもすぐ濡れてしまう
- 赤茶の色がとれない、ニオイが気になる
- 目の周りの毛がカピカピに固まる
小型犬や短頭種(トイプー、マルチーズ、シーズー、パグなど)に多い悩みで、原因は「鼻涙管のつまり」「アレルギー」「毛の刺激」などさまざま。焦らず、できることからコツコツが一番の近道です。
専門的なアドバイス:基本のケアと注意サイン
まずは仕組みを理解
涙が過剰にあふれると目の下が常に湿り、酸化して赤茶に。濡れっぱなしは雑菌増加や皮膚炎の原因にも。だから「清潔にして、濡れたままにしない」が合言葉です。
獣医師目線の基本ケア 5ステップ
- ぬるま湯でふやかす:清潔なガーゼやコットンを人肌の温度で湿らせ、目頭から目尻へ数回そっと当てる。
- 優しく拭き取る:こすらず“押し当てて離す”を繰り返す。乾いた部分で仕上げ拭き。
- 乾かす:最後にやわらかいタオルで水分オフ。必要ならドライヤーの弱・冷風を遠くから数秒。
- 毛の管理:目周りの毛が長いと刺激に。トリマーに「涙やけ対策で短めに」と伝える。
- 温めケア:人肌の蒸しタオルを1〜2分当てて鼻涙管周りを温め、軽く円を描くようにマッサージ。
頻度の目安:朝晩1回ずつ、合計1〜2分でOK。続けることがいちばんの効果につながります。
年齢別のポイント
- パピー:涙の通り道が未成熟なことも。拭き取りは特にそっと、ケア=楽しい時間と紐づける。
- 成犬:毛の刺激や食事・環境の影響が出やすい時期。毛の管理と生活見直しが要。
- シニア:歯周病や結膜の乾燥が関与することも。口腔ケアや加湿など全体の健康管理を意識。
注意すべきサイン(受診の目安)
- 黄緑色でドロッとした目やに、悪臭、強い充血や痛がる様子
- 片目だけ急にひどくなる、まぶしそうに目を細める、頻回の瞬き
- 2週間ほどのホームケアでも改善しない、皮膚がただれる
これらは結膜炎・角膜トラブル・鼻涙管の閉塞などの可能性も。適切な検査や点眼が必要になることがあります。
実践的なコツ:無理なく続く“毎日のひと工夫”
- ルーティン化:散歩後やごはん前後に30秒ケア。玄関やケージ横に「ガーゼ・コットン・小ボトル(精製水)・小タオル」をセットしておく。
- お金をかけずに:ぬるま湯+ガーゼで十分。頑固な固まりはお湯でふやかしてから。こすらないのがコツ。
- 環境の見直し:香料や煙は刺激に。空気清浄・こまめな掃除、ベッドやタオルは清潔に。加湿は50〜60%が目安。
- 水分アップ:新鮮な水をこまめに交換。浅めで顔が濡れにくい器や自動給水器も便利。
- 食事の工夫:良質なたんぱく質、オメガ3(DHA/EPA)、ビタミンA・C・Eを意識。フード切り替えは約1〜2週間かけて段階的に。食物アレルギーが疑わしい場合はタンパク源の見直しを。
- シャンプー時:目元の汚れは無理にこすらず、ぬるま湯でふやかして優しく除去。サロンの炭酸泉は皮膚の清潔維持に役立つことも。
おすすめ商品・サービスの選び方
- 目元用拭き取りシート:無香料・アルコール不使用・低刺激のもの。成分がシンプルな製品を。
- アイクリーナー(洗浄液):犬用でpHが目に優しいタイプ。まずは少量から肌反応を確認。
- 目周りケア用コーム・はさみ:先丸・細歯で安全性重視。自宅カットは無理せず、基本はプロに依頼。
- 給水器・食器:ステンレスや陶器で清潔を保ちやすいもの。顔が濡れにくい設計だと◎。
- フード・サプリ:オメガ3配合、添加物が少ないシンプルレシピ。合う/合わないは個体差があるため、様子を見ながら。
- 医療ケア:継続する涙やけには、点眼薬の処方や鼻涙管洗浄が選択肢になることがあります。
犬の涙やけ対策に!自宅でできる簡単ケア方法 まとめ
ポイントは「やさしく拭く」「濡れたままにしない」「毛を短く保つ」「食事と環境を整える」の4本柱。完璧を目指すより、1日30秒のケアを気持ちよく積み重ねることが、澄んだ目元への近道です。あなたの手のぬくもりが、いちばんの特効薬。今日からできることから、軽やかに始めましょう。
